借金を繰り返す心理というものを考えると苦しくなります。
最初はきっと羞恥心があるでしょう。
でも借金が癖になっている場合、そんな自分が人にはどう映るかなど考えもしないのでしょうか。
あるいはそういった思考をすべて放棄してしまうのでしょうか。
でも、本人が考えることをやめても、周りはそうではありません。
私の母は借金を重ねてしまう人でした。
もとは明るく聡明な働き者だったので、その転落は物悲しいものでした。
嫁・姑問題、父の大病など理由は山ほどあるのですが、酒とギャンブルに逃避するようになり、ついに借金を重ねるようになりました。
何度止めても徒労に終わり、中学生だった自分には無力感しかありませんでした。
やがて母は家を出て行きました。
社会人になると久しぶりに電話がきて、お金を貸すよう言われました。
「どうしても来週まで作らないとやばいんだもん」と甘ったれた声。
この人はまだやっているのか…ついに娘にまで…
母はとっくにすべてを諦めてしまったのだと悟ると、情けなさと腹立たしさで涙が止まりませんでした。